輪るピングドラム kimitobokuネタバレ感想
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ピングドラムとはいったい何だったのか?
これは、他人を思う気持ちなのだろうと思う。
もっと、大きく見ると、生物が遺伝子的に持っている生存本能による生存戦略を超えた、人間の持つ生きるための行動なのだと思う。
それが、具体的に何なのかというと、愛などといった他人を思う気持ちなのだろう。
ただ、それに決まった形はないのだと思う。
例えば、ももかさんについては、人類愛に近い形なのではないかという気もする。
カエルとは何だったのか?
カエルは、自身の善性の象徴のような物だったのだと思う。
最後に、ピングフォースのステッカーによって、隠されてしまった前性(カエルくん)が見えるようになった事で、善性によりより良い選択を主人公達は出来るようになったのだろう。
善性を持った、普通の人による応援によってただけ、悪意と戦う事が出来るのだという事なのだろう。
そらの孔分室が地下61階にある事について。
これも、村上春樹の小説の「カエルくん、東京を救う」から来ていると思っていて、地下の世界というのは、精神世界で、地上に存在する人間の意志によって作られる世界なのだろう。
また、この意志の世界が現実にも影響を及ぼすという、相互作用のある世界であり、その現実世界と精神世界の両方をよくするには、やはり、善性という、意志からより良い世界を望む必要があるのだろう。
「さねとし」はこの作品における、悪意の象徴なのだけど、悪意というのは現実には存在する事が出来ないため、地下世界に存在して現実への干渉を行って居たのだろうと思う。
また、この61という数字は、現在(2023/08/13)の日本の国土面積が世界で61番目な所から、空想世界の日本という事なのか、B61という核弾頭(いつか他人を巻き込んで爆発するかもしれない物)という意味なのかは受け手次第。
個人的にはどっちの意味でも面白いので、どっちでも良いと言われるとどっちでも良い。
何が輪るの?
これは、作品的には、愛が回り巡るのだと思う。
今は、主人公達の愛の連鎖だが、例えば、子供が出来たりすれば、子供への愛になっていくだろう。
親世代から受け継がれるのは、怨念(呪い)だけではなく、愛も受け継がれるのだろう。
主人公達にしか見えない、ペンギンは怨念の象徴のようにも見えるが、個人的にはこれもこれで愛の形なのだと思う。
愛ほど歪んだ呪いはないのかもしれないが、個人的には、愛というストレートな形として受け取っても良いのかと思う。
こどもブロイラーについて
子供ブロイラーでは、子供も透明な存在にするしているが、これは、おそらく、少年Aから来ているのだろう 義務教育によって画一化された環境に意志が存在しない、集団としての透明な存在
こどもブロイラーに行くこどもというのは、誰からも必要とされなくなったこども達となっている
つまり、誰からも愛の矢印を向けられなくなったこども達という事で、他人から愛されなくなった人は透明な存在になると思うと、他人の意志が自分を形作っているという事になり、ピングドラムをまわす事によってのみ、こどもブロイラーから、こども達を救えるのであろう
ただ、愛というのは誰にも簡単に向けられる物ではないので、作中では、こどもがこどもをこどもブロイラーから救えるのは1人あたり1人が限界なのかもしれない